全体の本組み立て仮組みが一度完成していると思いますのでさほど問題はありませんが、グリスやシーラントなどいくつか注意点もありますので説明しておきます。仮組みが分解されているとは思いますが、まだでしたら分解してください。 水洗い 本体管から軸や軸受けに至るまで丁寧に水洗いします。 目的はフラックスの洗浄です。 ステンレス用フラックスは強力ですので、残っていますと腐食が発生します。 一番困るのは軸受けの内面の腐食です。 ここが腐食してきますと、軸の回転ができなくなり、分解清掃も容易ではなくて困ってしまいます。 全てのものを十分水洗いして、乾かします。 グリース 仮組の時には使用しませんでしたが、本組では軸の先端にグリースを一回り付けてから軸受けに差し込みます。 このグリースの役目は当然スムースに回転することですが、もう一つ役目があります。 それは、演奏時の操作音の減少です。 グリースなしで演奏しますと、カタカタ音がしてきますが、グリースによってほとんど気にならなくなります。 気密性の確保 ビス締め部の気密です。 すでに管尻側の軸受けは変成シリコンによって気密になっていると思いますが、上側の軸受けは今から組み立てられるわけですので同じように気密を保つようにしなくてはなりません。 軸受け底面とビスにシーラントを塗ってからビスを締めます。 口で言いますと簡単なのですが、なかなか大変なのです。 どうしてかといいますと、グリースが付けられていますので、うっかりすると手に付着してしまったり、肝心の本体側の気密部にグリースが付着したりしそうになりますので本当にあちこち目を配りながらの作業になります。 忘れやすいのが親指かけ部の気密です。 ここにもシーラントを塗布しましょう。 ドライバー穴の穴埋め ビスの真後ろにドライバー用の穴を開けられたと思いますがこれを埋めなくてはなりません。 しかしその前に確認しておくことがあります。 完全体を持ち上げ、手レバーを操作してみてください。 指をはなしたとき、すっと戻ってくれればよいのですが、動きの悪いのがあれば、大抵は軸受けが真っすぐ前を向かず、少し斜めになっていることが多いです。 グリースのせいで多少の摩擦は見逃されてしまいがちです。 さっと戻ることを確認してください。 場合によってはバネの調整が悪いこともあります。 すべてOKでしたら、ドライバー穴の穴埋めをします。 6mmの木の棒を薄く切って穴にはめます。 2mm程度の厚さに切ろうとしますと、途中で木が欠けてしまうことがあります。 ほんの少しのこぎりを傾けてしまうためです。 私は電ドルで6mmの棒を回転させておいて、小型のノコをすっと当てて切断しました。 一つ切断したら、残っている方の面取りをします。 これはドライバー穴に挿入しやすくするためです。 一つづつ挿入し、瞬間接着剤を入れて接着します。 接着が乾いたら塗装します。 何回も塗りかさめるのは大変ですので、私は、色付けと上塗りだけで済ませています。 以上で長D管の完成です。 |