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完成品テスト

完成品テスト

音を確かめる

ついに完成しました。完成品テストです。まずは音を出してみましょう。
良ければ音程を確かめますが、音が出ないこともあります。その時の対処のポイントも説明します。

音程テスト

筒音を出してみる
まずはともあれ手レバーを全部押して筒音を出してみましょう。
うまく音が出れば、おめでとうございます。
もし筒音が出ませんでしたら、次の項、「筒音が出ないときの対処ポイント」を参考にしてみてください。

筒音が出るということはまず成功したも同然ですが、音程を確かめねばなりません。

温度
音程を確かめる場合は室温を25℃にすることが大切です。
鳴るか鳴らないかを見る程度なら別に室温にはこだわらず、吹いてみればよろしいのですが、出来上がったこの長尺のD管は正確に出来ているかどうか確認するには室温を設定値にすることが必要です。

基本音
ロツレチハロを出して調律器で調べます。
±10セントまでは問題視されません。完全合格です。
20セントほどですと、「まあいいや」となるでしょうか。
それ以上ですと何か問題があると思います。高めに出る場合はパッキンの当たりをよく見てください。
低めに出る場合は根本的に何か間違っている可能性があります。

大メリ音
を出してみます。
手レバーの押し具合でちょうどよいところがあるはずです。
この押し具合を覚えておきましょう。

小メリ
これは1孔か4孔のかぶせのような手レバー具合で出すことができますが、なかなか難しいです。
何回か試していますと容易に出せるようになります。

ここまでOKならば完璧です。本当におめでとうございます。

筒音が出ないときの対処ポイント

1 パッキンの確認
手レバーを押して、一つ一つ目視してください。
パッキンが正しく手孔を塞ぎ、少し圧縮されているでしょうか。
悪ければ手直しします。

2 パッキン目視がOKなら
目視でパッキンが問題なさそうなのに筒音が出ないということになります。
この場合は、全部開の状態にしておいて、全部の手孔をガムテープで塞いでみます。
ガムテープが波打っていますと、隙間が出来てしまいますので、平面的に真っすぐピット貼ってください。
これで吹いてみます。筒音が出れば、目視ではよくてもパッキンに問題がある事がわかります。

手孔にガムテープを張ったのに筒音が出ない場合は、ガムテープを補助するため、手レバーもパッキンレバーもテープで引っ張って閉じてください。
それでも筒音が出ない場合は、手孔に付けたアルミリングの接着が気密漏れしているか、軸受けの気密漏れが疑われます。
また、ドライバー穴の塞ぎが悪いかもしれません。
親指掛けの取り付け部かもしれません。

いずれにしてもどこかから気密漏れしているために筒音が出ないのです。
なぜなら、最初に手孔を開けない状態で、管尻の長さを決めたとき、筒音は出ていたわけですから、後工程で気密不良を生じていることに間違いありません。

ところがどこが悪いのかさっぱりわからないという場合があります。
この場合はやむをえませんので、管尻をガムテープでしっかり塞いでしまい、歌口を上にして水を入れてみます。
どこからか水漏れが出てくると思います。

ただ、上部の方ですと水圧がかかっていませんので水漏れがわからないことがあります。
この場合は、管尻のガムテープを取り除き、歌口をガムテープで塞いで逆さにして水を入れてみます。

大概これで気密不良は発見できると思います。
先にも申し上げましたが、手孔なしでは筒音は出ていたのですから、筒音が出ない原因は、必ずどこかに気密漏れがあるはずなのです。
水は漏れないけれども空気は漏れるのではないかと言われるかもしれませんが、そのように小さな漏れならば例えあったとしても筒音に影響することはないだろうと私は思います。
もし心配ならば、石鹸水を塗って空気圧を加える方法もあるかもしれません。

以上です。



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