軸と軸受け尺八の1オクターブ低い音のする長D管は長い本体ですので、レバーで軸の回転を介して手孔パッキンを操作します。そのための軸と軸受けの作り方を説明します。軸受けを本体の上下に固定し、軸受け間に軸をはめて動かします。 写真はその上部の所です。 2本の軸が写っていますが、このほかにまだ2本あります。 ![]() 軸は直径9.5mmのステンレスパイプです。 壁にちょっとしたタオル掛けを作りたいのですが、一番細い10mmのものはありませんか、とホームセンターで聞けば大抵案内してくれます。 10mmと言われますがそれは呼びであって、パイプの正確な外形は9.5mmです。 この取付足の方にはパイプがきちっと入る10mmの穴があり、スムースに回転してくれますので都合がよいです。 軸受けの作成 タオル掛け用の足は写真で上のものです。 ![]() これを途中で切って、切り口からM5のタップを立てます。 都合の良いことに、ダイキャスト製作のためでしょうか理由はわかりませんが、中央にちょうどよい下穴が開いていますので、タップを立てるだけです。 写真の下のものが出来上がった軸受けです。 軸を入れる部分はなるべく傷をつけないようにします。 ただ、先ほどのタップの先が出てきますので、注意深くバリを取っておきます。 高さは私は特に測定しないで、この足の途中についている飾りでしょうか竹の節のような出っぱりがありましたのでその下を基準として金ノコで切断しました。 ただ難しかったのは直角に切ることです。 直角が出ていませんと取り付けたとき傾いてしまいます。 傾きますと、軸をはめたときコジてしまい、動かなくなってしまいます。 最初は切断面をヤスリで手直しし、直角を出していましたが、後では電ドルを使うようにしました。 先ほどたてたM5にM5の長ビスを締め付け、台に固定した電ドルで回転させながら金ノコをまっすぐに当てがいます。 金ノコの刃が長ビスに当たったところで止めますと、ねじの山谷の関係でしょうかちょうどうまく切断できています。 この方法ですとしっかり直角が出ていますので助かります。 バリ取りだけで終わりです。 軸受けの接着 軸受けは本体管にビスで締め付けて固定しますが、単にビス締めだけでは気密性が保証されません。 このため組付ける場合は軸受けの底部に接着剤を塗りますが、本当の接着剤ですと、何かの都合で分解しなくてはならなくなった時、大変困ります。 また、ビスを締めるため、ビスの真後ろの管本体に6mm程度の穴を開けておき、ドライバーが使えるようにします。この穴は完成後埋めて塗装します。ビスは長い棒の先端に簡単に付けておいて管尻から差し入れます。 ビス締部の気密のために私はシリコンコーキング材を使っています。 ピストンをほんの少し押して、ノズルの先から少量シリコンコーキング材を出しておき、つまようじ風の金属の棒で塗っています。 締め付け前のビスにも少量塗って、ねじ山の間からの気密漏れも防いでいます。 こうしておきますといざというときにはビスを緩めることができます。 シリコンコーキング材は変成シリコンを使います。 塗装との相性が良いと聞いていますので。 ただし最初、この接着は軸の下側、つまり管尻側の軸受けにだけ施し、上の軸受けには塗らないで仮り組みをします。 軸の長さ調整などで付けたり外したりの必要が出てきますので、最初は下だけにしているのです。 ちょっと一言追加 別のホームセンターで、タオル掛けを作るといって案内してもらったところ、あるにはあったのですが、写真のと違うものでした。 試しに買ってきたのですが、足の部分に出っ張りがなく、切断位置を決めるのに苦労しました。 軸とのガタなど問題はありませんが、切りにくいのと、後ろ側の形が丸ではなく四角に近い形でしたので気に入らず、結局使いませんでした。 軸の作成 軸は先ほどお話しした通りですが、ステンレス製といっても、なかには鉄パイプにステンレスの薄板を巻き付けたものもあります。 これは表面にステン板のつなぎ口が表れているため、タオル掛けなら問題ないでしょうが、回転させるには不安です。 少し高価になりますが、オールステンのパイプの方がよいと思います。 本体に軸受けを取り付けるための穴を開けますが、0.何ミリという位置の精度はなかなか出せません。 計算上の穴を開けましたら、孔の間隔を測定して、それに見合った長さにパイプを切断します。 1mmか2mm長めに切っておき、仮り組みしてみてヤスリでパイプの端面を削り調節します。 ぴったりの長さにはせず、0.5mmほど短くしてガタを持たせた方がよいです。 最後には面取りをし、ペーパーで磨いておきましょう。 |