塗装における注意点尺八の1オクターブ低い音のする長D管も、計算通りの穴あけが完了しましたのでいよいよ塗装に移ります。塗装は簡単そうに思えますが意外に難しいです。 刷毛目、匂い、艶、耐久性などいろいろ気を使わなくてはなりません。 刷毛目 木製と違い最初から表面は艶のあるVU管を使っていますので、ラッカースプレーを吹いてやればよいように思ったのですが、粒々の問題や匂い、耐久性などの問題から水性ニスを刷毛塗りすることにしました。 しかしこれがなかなか厄介なのです。 一番の問題は刷毛目が出てしまうことです。 ピカッとした面にならず、筋が入ってしまうわけです。 着色 最初に密着性をよくするため筒全体を400#のサンドペーパーで磨きます。 その上に、黒の水性多用途ペイントを刷毛塗りします。 厚すぎるとたれが生じますので、塗料を付けた刷毛をカップのふちでしごいてから塗ります。 多少の刷毛目はできますがそのまま進めます。 この着色だけで3回塗りました。 その都度400#でかるく磨きます。 塗装に厚みをもたせる 見た感じがしっとりするように透明な塗料で厚みをつけるのです。 また刷毛目を隠すためでもあります。 そのために水性のサンディングシーラーを塗っては磨き、塗っては磨きを3回繰り返します。 仕上げ塗り サンディングシーラーは本来は木材の目をつぶして艶を出すものですが、刷毛目つぶしにも効果がありましたし、見た目にしっとり感もでてきます。 しかしこの状態では耐久性がありません。 上塗りが必要です。 仕上げ塗りする前には筒の上から下まで400#で丁寧に磨きました。 磨いた所は白っぽくなり、磨けていないところは艶がありますので磨き足りないところはすぐわかります。 上塗りは、水性ウレタンニス透明を使いました。 ニス刷毛でこれもカップのふちでよくしごいてから塗ります。 もう一度塗って完了としました。 穴の補修 色々の穴がありますが、穴に塗装が入り込んでいます。 どの穴もキチキチの設計になっていますので塗料が入り込みますと内径が小さくなって部品が取り付けられなくなっています。 そのため穴に入り込んだ塗料をはがします。 目の粗い丸ヤスリか半まるヤスリが調子よかったです。 ただ、手前に引きますと塗装に剥がれができますので押すだけにしないといけません。 歌口付近はペーパーで磨いて取りました。ただ艶がなくなってしまいますので、1500#まで細かくしたのち、研磨剤で磨いて艶をだしました。 塗装完了 以上で塗装は完了しましたが、なぜ水性ニスが主体だったか申し上げますと、 一つには家内がシンナーのにおいが大嫌いで、ラッカー系が使えなかったからです。 もう一つは、私自身、演奏時に鼻の先に匂いのするものがあるのが嫌だったからです。 水性ウレタンニスはほとんど匂いがなく、手で持った時に粘着きもなく、使い込んでも剥げてきませんしなかなか良いとおまいます。 |