歌口部を折り曲げる尺八は歌口から管尻まで1本の直線状に配置されるのが普通ですが、1オクタープ低い長D管は非常に長いため、構えることが大変になってきます。そのため歌口部分は40度程度の方向を向いた状態で、本体部分は20度程度の方向を向くよう折り曲げることにしました。 折り曲げ点は歌口のすぐ下です。その歌口の作り方を説明します。 長D管の試作研究の最初は通常のように歌口から管尻まで一直線のものにしました。 完成して吹いてみますと、斜めに構えるのが大変なことがわかりました。 非常に重いのです。 このため40度程度の方向に持ち上げることがとても大変なのです。 管尻に足を付けて床に着けるようしますと構えはできますが、メリ、カリ、ユリなどしようと思っても顎を動かすことができなくなりました。 三角形が構成されるため動かせないのです。 図をご覧ください。 直線状の場合Aのようになりとても重くてたまりません。 Bのようにしますと構えはできますが舌面など歌口部が下に向いてしまい、顔を正面に向けていると吹くことができません。 そのためCのように折り曲げることにしたのです。 ![]() その結果、構えるのに必要な力は半分くらいになったように感じます。 本当はもう少し管尻を上げた方が格好良く見えると思いますが、持てないものは仕方ありませんのでこのようにしました。 図の矢印は重心に働く重力を示しています。 歌口の作り方歌口部の設計図です。点線で顎当たりと舌面を示していますが、この部品を本体に接着してからこのように切断するとの意味です。 ![]() 最初に塩ビ管VP25に中間接続対を接着し端部を切断します。(写真の色は照明のせいです) 十分奥までかち込んで接着しないと寸法不足になります。 そのあと本体への接着部となる位置にケガキ線を入れます。 ![]() ![]() 今ケガイた線に沿って切断します。左は切断したものの写真です。 これをひっくり返して内部の面取りを示す大体の位置をケガキます。 この面取りは本体から歌口に通じる振動空気の通り道ですので、急な段差ではなく、テーパー状にするためです。 ![]() ![]() 次の写真は内面に面取りしたものです。 これを本体に接着します。 ![]() |